患者が亡くなった際、看護師は、体の清掃や遺体の防腐などの処置を施すエンゼルケアを行うことがあります。
エンゼルケアの主な役割は、亡くなった患者の生前の面影をそのまま維持することにあり、亡くなった患者に化粧を施す役割もあります。いわゆる死化粧と呼ばれるケアで、できるだけ患者が亡くなる以前の姿のように化粧を施すことも、エンゼルケアの大事な役割になります。
エンゼルケアの考え方は、アメリカのドロセア・オレムという看護師が提唱した、看護のセルフケア不足理論が元になっています。
ドロセア・オレムは、人は基本的にセルフケアをする存在だが、何らかの理由によってセルフケアができなくなった場合、できない部分を補うことが看護であると提唱しています。つまり、この考えからすると、亡くなった患者はセルフケアを行えない状態になるため、周囲の人間がケアを行う必要がある、ということになります。
この考えを元に作られたのが、日本における死後処置です。これは後にエンゼルケアと改められ、看護師は亡くなった患者の最後を看取り、家族に変わってケアすることになりました。
そのため現在では、エンゼルケアは人間が持つ権利の一つとして考えられています。亡くなった患者の尊厳を守るために必要とされている、重要な処置です。
なお、実際にエンゼルケアを行う際の手順や、携わる看護師が知っておくべきことなどは、以下のサイトにてご確認ください。
→http://angelcare-guide.com